本日は集音器から補聴器に変更されたユーザー様のご紹介。

価格で比べると補聴器と桁が一つ違う安さの集音器なので多くの方が一度は購入してみるようです。
私のところへ相談にいらっしゃる前に皆様一度は経験済みの方がほとんどです。
耳の形、穴の大きさ、聴力の型など一般的?であり
屋内専用であれば役立てている人も多いと聴きます。

今回のケースは80代女性
問題は集音器を使っているが脱落してしまうとのこと。そして、
雨の日も自転車にのるのですが、雨合羽をきるとハウリングがひどいとのこと。

聴力はこちら。
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集音器でどうこうするには難しい印象です。
それなりの音量が必要ですし、出来合いのもので大きくすると音もれハウリングしてしまうでしょう。

活発に活動される80代で耳の形も耳穴型の補聴器が合いやすい形状に見えたので
耳型から起こす耳穴型補聴器を提案いたしました。


はい。これで脱落とハウリングの問題を解決できました。
ハウリングしなければ周囲に迷惑をかける心配もなくなり、
先日はバス旅行も楽しめたと嬉しいお言葉。

しかし課題がないわけではありませんでした。
自分の声のこもり感が強いようです。

あまりにピッタリすぎると出やすい訴えです。作り直してみます。
耳の穴の部分の張り出しを緩めにいたしました。
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しかし大きな改善は見えず。さらに形状の検討を進めます。
よくよく観察すると耳の「耳珠」「対珠」の被りが大きく強いように見えます。

皮膚が被っている部分を削りシェイプアップ。
このような工作道具などを使って現場で微調整できます。
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上手くいきました。解決です。せっかくですのでこの形状でメーカーに再度作成を依頼。
ピカピカの世界に一つだけの自分の耳の形状に合わせた補聴器の完成です。

長年かけて培ってきた技能で問題を解決、顧客に喜んでいただく時が
技能者みょうりに尽きる瞬間です。元気に長く使っていただきたい。