本日は90代男性、補聴器の「設定」について一例をご紹介します。
補聴器は音の調整に目が行きがちですが、ライフスタイルへの調整まで踏み込んでこそ、
さらなるご満足を届けられると考えております。

こちらの部屋は私が普段使用している補聴器の
「音に関する」フィッティングルームです。
左手前に見える青色の機械は、聴力を測定したり補聴の効果を測定するものです。
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下図は補聴効果を測定しましたものです。
下のS字の線が補聴器なしの聞こえ。上のA字が補聴器つけた時の聞こえです。
グラフが上がった分だけ聞こえが改善しています。

まずは音がよく聞こえる事を確保します。
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音がよく聞こえる事を確保したら次は、言葉の聞き取りです。

こちらが音の大きさごとの言葉の明瞭さを測ったグラフです。
印が上に行くほど明瞭であり、右に行くほど大きな声です。
下の△が補聴器なしです。普通の声の大きさではほんとんど会話が出来なさそうです。
▲P1と▲P2の調整を一つの補聴器に設定しました。
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もちろん常によく聞こえる、聞き取れるにこしたことはありませんが、
90歳というご年齢を考慮するに、
常にガンガン聞いていくというより快適性も欲しいところです。

ご自身でボタンの操作もおできになったので、
しっかり聞きたい時にワンプッシュでボリュームをあげる事を提案いたしました。
結果、導入はスムースで装用状態も良好な印象です。
そして、しっかりめの音量プログラムで常用できる状態になったら
切り替え不要に再設定する事を目標にしようとご使用者様と共に意気込んでいます。

フォローアップを継続しながら一緒にゴールを目指す今後も楽しみです。