今回の調整は92歳女性。最近90代も珍しくないです。
週に1回の会合で聞きたいとのこと。普段は困っていないので補聴器を使う機会は限定的です。

ステップ1:
通常なら聴覚活用のためにも常用を目標に頑張ってもらっているのですが、
ご年齢を考慮すれば、完全にお好みに合わせるのが総合的なQOLの向上になるだろうと判断して
調整プランを練りました。

ステップ2:
下の図は初日の仮合わせ。
S字が補聴器ない時の聞こえ、グレーのA字が初期調整です。
右端の方、3kHz、4kHzの改善が足りていませんね。
これらの周波数帯の音量を上げます。
するとブルーのA字の聞こえに改善しました。
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ひとまず、調整初日はこのくらいにしておきましょう。
90代で初めてにしては、しっかり目の調整のように思いますが、
ライフスタイルにほとんど外出はなく、
日常、聞く幼児は家族とTVだけとのことなので
早めの効果の実感を優先する判断をしました。

ステップ3:
1か月後。
気に入って使っていただけている様子です。
モチベーションも高いので高音域の聞こえを上げてみましょう。
グレーのA字が調整前、ブルーのA字の調整後。
イメージとしては言葉の歯切れがよくなる感じを期待できます。
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補聴器を使いこなして
ご家族と楽しい時間を過ごしてください。
このように調整は測定を繰り返し、科学的に調整は行われていきますが
ユーザー様の装用意欲、モチベーションを高く保ちながら進めていくには
担当技能者の技量や経験も大きなところと考えています。

皆さんのお近くにも、認定補聴器技能者の在籍する認定補聴器専門店がみつかりますように。