A様70代女性補聴相談にいらっしゃいました。

ご来店以前には、別の場所で一度補聴器のお試しを体験されていて
その時は、雑音が気になり購入には至らなかったとのこと。

それでもやはり、外出時には不便を感じるので相談したいとご来店いただきました。

聴力を見てみましょう。
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聴力の測定結果を見ると聞こえないわけではありませんが、
聞き返しや想像での返事はありそうだという印象です。

次に、以前補聴器を試したときの事情を推察することで問題の解決を試みてみましょう。
語音明瞭度測定です。
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右耳と左耳の言葉の明瞭度を測定したら特徴的な結果が出ました。

左耳:音を大きくしてもさほど言葉の聞き取りに大きな変化はありません。
右耳:音を大きくする程に言葉の聞き取りのスコアが上がっていく。

察するに、左耳は補聴器をつけても音が大きくなる(雑音も増える)が言葉の聞き取りは大きく改善しない。対して、右耳は補聴器をつけたときの改善度合いが大きいことが期待できます。
おそらく、以前の試聴では左耳側の補聴効果の印象が負の方向に出たのでしょう。

私からの提案は、右耳に補聴器を作られたらいかがでしょうか。

A様は、右耳にCICタイプ(小型オーダーメード耳穴型)をお作りになられました。
弱<中<強の音量プログラムをセット。

2週間後
形状面でも音量面でも問題なく使用中。

1ヶ月後
ボリューム弱で違和感なし、すっかり慣れた→ボリューム中での使用を提案。
テレビが家族と同じボリュームで聞き取れるようになった。

引き続きアフターフォローを続けていきます。
補聴器の選定や調整には諸説あります。
実際は、この記事のデータだけではなく、もっと詳しくお話を伺いながら
総合的に判断しています。

補聴器をお作りになられる予定の方は、よくよく技能者と相談の上、
最良の選択ができるように願っております。