補聴器の調整は今や自由自在。
周波数毎の音量も、音の大きさ毎の増幅具合も自由です。
自由度が高い機種ほど価格も高い。

※自由自在の前提として物理的なフィッティングが完了している必要があります。
これはまた別記事でご案内いたします。


だからこそ、購入店では事細かにリクエストしたくなる気持ちはよくわかります。
もちろん購入したからには所有者は自分自身なので、自分の補聴器は自分の好きなように使いたい。
当然の権利です。

しかしここは、ひとつ。その権利はいつでも行使できるので一旦専門家の話も聞いてやってください。
headerPic

下図。S字は補聴器ないときの聴こえ。A字が補聴器つけたときの聴こえです。

18736_FG

補聴器なしでは、小さい声になったとたん聞こえにくくなります。
「ちょっと大きな声で話してもらえば分かる」状態ですね。

主訴を確認します。「全体的に小さめの声が聴きにくい。何とかしたい。」です。

補聴器を装用して2週間。
聴こえは改善してまずまずの滑り出しでした。そんな中のリクエスが
「水の音が響く」
高い音ですね。一番安直な調整は高い音の音量を下げてしまうこと。
しかし、そうすると「小さい声」の聞き取りに影響がでてしまいます。

提案・・・

たしかに水の音が響きますね。まだ始めて2週間ですし、いろいろ驚きもあることでしょう。
でも、水の音は、朝から晩までなっていて耐え難いものでしょうか。
いかがでしょう、洗い物をする時だけボリュームをご自身で下げてみては?
せっかく「小さな声も聴こえるようになった」ので、
もうしばらくこのままの調整で慣れてみましょう。

これが、私たち専門家からの提案です。
音の感じ方は生理的に受け入れ困難な場合もあります。
それが確認出来てから一緒に相談して調整をする。
これが自分に合った補聴器の作り方だと思っています。
もし、1カ月経過しても気になるようでしたら、4kHz以上の調整をいたします。

と、このように調整の意図と計画を専門家が立てて、お客様にご提供。

さあ、私たちと一緒に自分だけの補聴器作ってみませんか。